~日々の気になるメディアトピックを気ままにコメント分析~

Monday, February 28, 2011

ジョン・ガリアーノと酒癖の悪さ

メゾン・ディオールのデザイナー、ジョン・ガリアーノJohn Gallianoがここ数日ファッション界のみならず新聞の社会面を賑わしている。

先週末、パリのマレ地区のカフェ「La Perle」のテラスでガリアーノ氏と隣り合ったカップルがユダヤ人差別および人種差別発言を氏から受けたとして警察に被害届を出した。メゾン・ディオールは即刻ガリアーノ氏に職務停止処分を言い渡した。

そして今朝、新たな被害届が、ある女性により同じ3区の警察署に出された。内容はやはり反ユダヤ発言により誹謗中傷を受けたというもの。事は昨年10月にさかのぼるとのこと。

いったい何が起きたのか?ふたつの事件に共通するのは、同じカフェのテラス、ユダヤ人差別発言および脅し、そしてガリアーノ氏の泥酔状態である。

また、どうやら氏はこのような行動の常習犯であったようで、カフェの常連客も氏が他の客に絡むのを面白半分で応援するきらいがあったとか。(実際のところは定かではないが、lemonde.frのコメント欄に事情通らしき人がコメントしている)

ガリアーノ氏は反ユダヤ?女性嫌い?

パリのマレ地区といえば、ユダヤ人街およびホモセクシャルの街として有名な所。しかもカフェのテラスという路上で今までこのような誹謗中傷が繰り返されていたというのなら、誰も本気にせず名物化していたか、有名デザイナーとして大いに許容されていたかのどちらかではないか。

伝えられている氏の発言の内容は強烈だ。(女性に向かって)「ユダヤ人の汚いツラ下げやがって、お前なんか今頃死んでいるべきだ」(一緒にいたアジア系男性に向かって)「このアジア野郎、殺してやる」。

さらにさらに、時期的にはこの2件の出来事の間に取られたという、ガリアーノ氏の「絡む」場面のビデオがThe Sunのサイトに載った。例のカフェのテラスで,
隣り合わせた女性ばかりのお客に対し「俺はヒトラーが好きだ」「お前らみたいなのは死んでいるべきだ、お前らの母親や先祖はみなガス室行きのはずだ」と、へべれけながらも明瞭に聞こえる。当の女性たちは「信じられない」といった様子。

この女性たちが実際にユダヤ人というわけではない。このビデオを取り上げているル・モンド系のブログBig Browzerの記事の結論によれば、女性客の「あなたの問題は何?」という問いかけに対し「お前だよ、醜すぎる!」と氏が答えていることから、ガリアーノ氏はヒトラー好き以上に「醜さ」に恐怖観念を抱いているようだ。確かにそんな気がする。

天才デザイナーの美の観念が災いしているのか。お酒の力は時として本当に恐ろしい。