ことの発端は11月18日のUMP党首選の結果。党幹事長コペ氏の僅差による勝利に対し、敗者である前首相のフィヨン氏が「待った」をかけた。
お互い選挙不正疑惑を持ち出して責め合い、ジュペ元外相やサルコジ前大統領などの党の重鎮が次々と仲裁に入るなど泥沼化。膠着状態が一ヶ月続いていたのだった。
合意によれば、来年9月に党首選をやり直し、それまではコペ氏が引き続き幹事長を勤める。党指導陣にはフィヨン派のメンバーも加わる予定。年明けには、国民議会で分離したフィヨン派の議員グループ(R-UMP)も元の鞘に収まることになる。
また、あらゆる法廷闘争を放棄することでも両者は同意。
コペ氏は戦闘態勢を整え、再チャレンジするとの見方が優勢。一方フィヨン氏は、再選挙への出馬について、18日夜に出演したFrance2のニュース番組で「まだ決断していない、政況に応じて判断したい」と明言を避けている。
さて、このドタバタ悲喜劇にひと月も付き合わされた一般国民の感情は?
21日、調査機関のBVAがI>Téléの依頼で行ったアンケート結果*によると、フランス人はもはやコペ氏もフィヨン氏も見捨てているようだ。
フィヨン氏の再出馬を望むのは回答者の35%で、コペ氏に至ってはその割合は20%でしかない。回答者を党の支持者に限った場合は、フィヨン氏の出馬を願うのは47%と若干増えるが、コペ氏に関してはその数値は28%に過ぎない。
「党首として誰がふさわしいか」という質問に対しては、元環境相のNKMことナタリー・コシュースコモリゼ氏がトップ人気で28%、次いで前農相のブリュノ・ルメール氏が25%、僅差でフィヨン氏が24%獲得。コペ氏は10%に過ぎなかったという。
党内バトルは思いのほか両者にダメージを与えたようだ。
*BVAが12月20日と21日に、18歳以上のフランス在住者を対象に電話およびインターネットで行った調査。