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2月23日付けLe Monde紙の意見欄に、匿名の外交官グループ(le groupe Marly)が論説を載せた (題名"On ne s’improvise pas diplomate")。'Marly' は発起メンバーが当初集まったパリのカフェの名前。
このグループは、現大統領は総じて行政機関を蔑視し、自らの政策ミスの責任を転嫁する傾向にあると、痛烈にサルコジ政権の外交政策を批判している。その裏付けとして、4つの誤りを挙げている。
①衝動性。⇒地中海連合(Union pour la Mediterranee)の座礁。その目的と手段の変更をうながした外務省の忠告を無視し即席に設立された。
注)チュニジアのベンアリ前大統領とエジプトのムバラク前大統領を主な柱とした、サルコジ大統領発案の連合体。
②アマチュア性。⇒コペンハーゲン環境会議の準備を環境省に任せたために、フランスそして欧州の弱さが露呈し、会議の失敗へとつながった。
③メディア受けを狙う。⇒今メキシコとの間に起きている外交摩擦は、本来ならば穏便に処置されるべき案件が表沙汰になったことが原因。
注)メキシコで誘拐補助罪で60年の禁固刑を受けた仏人女性Florence Cassez をめぐる、首脳陣を巻き込んだ司法論争。
④一貫性の欠如。⇒わが国の中東政策は意味不明で、シリアの思う壺となっている。同時に、フランス語圏アフリカ政策が物語るように、明らかな優先事項が実行されていない。
グループは、フランスの外交官もアメリカの同僚たちに劣らない真面目な仕事をしているにも係わらず、その意見が政策に反映されていないことを指摘している。
この論説は、もちろん、アリヨマリ外相の対チュニジア外交における相次ぐ失態に代表される、フランス国そのもののイメージ低下を嘆いたもの。
また、題名の "On ne s’improvise pas diplomate"(付け焼刃で外交官は務まらない)は、明らかに、ここ3日ほど話題になっている「サルコ・ボーイ」、チュニジアに就任ほやほやの若手ボリス・ボワイヨンBoris Boillon大使のお粗末な仕事ぶりを揶揄したものだろう。
(先週の木曜日、就任の挨拶に招待したチュニジアのジャーナリストたち対し、高慢で冷静さを欠いた態度を示したビデオが出回っている。2日後に仏領事館前で大使追放を求めるデモが起き、翌日に国営テレビ放送にで大使はチュニジア国民に対し謝罪した)
それにしても、司法官たちに引き続き、本来「自制義務(devoir de reserve)」下に置かれた外交官などの官吏たちまでをも敵に回して、サルコジ政権末期はいよいよ混迷してきた模様…。
ついでに、Groupe Marlyは、2008年に一部の軍指揮官がサルコジ政策を批判する論説をGroupe Surcoufの仮名で発表したことにちなんでいる。
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