~日々の気になるメディアトピックを気ままにコメント分析~

Sunday, May 22, 2011

震災について、ふたことみこと

地球の裏側に住むにも係わらず、そして、日本の家族が被災地にはいないにも係わらず、震災のショックをまともに受けてしまった私は、生活がほぼ元通りになるまで少し時間が掛かってしまいました。おそらく、多くの外国暮らしの邦人が同じ思いをしたことでしょう。

震災発生直後から仏メディア、日本メディア、両方をライブでつぶさに追う日々。国による情報の扱いの格差については、当時話題になった通りで、首都圏に家族を抱える在外邦人としては気が狂いそうでした。

たとえるなら、ハリウッド映画。時限爆弾を仕掛けられたビルディング(日本)に住む人々が、ビルの内部放送では『ちょっと問題がが発生しましたが、ただいま修復中ですぐ終ります。』とアナウンスを受ける。一方、ビルの外(海外)にいる身内は時限爆弾のカウントダウンをライブで追っていて、トムクルーズばりのヒーローが時限装置を解除するのをひたすら祈っている。

映画なら娯楽だけれど、これが実際だとしたら冗談ではないでしょう。両国のメディアの影響をまともに受け、大げさではなく、一時、このような心理状態に陥ってしまいました。二度と、このような思いはしたくないです。

よく考えれば、フランスの福島原発関連ニュースも、情報源は日本の当局が発したものしかないはず。しかも、当初、ほとんどの外国人ジャーナリストは、東北地方はおろか首都圏からも脱出したので、独自の取材すらい出来ていない状態。

要は、『コップに水が半分入っている』という共通の情報ソースから、『まだ半分残っているので、大丈夫!』という日本のニュースと、『もう半分しか残っていないので、絶望的だ!』というフランスの報道。情報って、いくらでも操作できるもの、と思い知らされました。

いずれにしても、2ヶ月以上経過した今も、そして、仏メディアではほとんど話題にならなくなった今も、この件に関しあまり述べる気になりません。故郷のあまりの惨事に、悲しみと憤りがいまだ深いので。なによりも、日本の状況の収拾はついていないし。。。

この間、フランスではルノーの産業スパイ事件の結末や、世界ではロワイヤル・ウエディング、ビン・ラディンの死、リビア情勢など、、、。2ヶ月間の出来事を振り返る気はないけど、また少しずつでも、気の向くままに書いていこうと思います。