(AFP1月2日付記事こちらとこちら)
重度の障害を負った女性により第3世代ピルを摘発する訴訟が起きたのが12月半ば。(ブログ記事 第3世代ピルで身体障害、訴訟へ 参照)
1月1日、フランス保健製品衛生安全庁(ANSM)長官のドミニク・マラニンキ氏(Dominique Maraninchi)が、第3・第4世代ピルは血栓塞栓症のリスクが高いとして、その処方を一部の専門家にのみ許可することを検討している、とAFPに発言。
(要は、一般科医Généralisteによる処方は第2世代ピルまで、ということ)
翌2日には、厚生大臣のマリソル・トゥーレーヌ氏が「2013年3月31日より第3世代ピルの払い戻しを終了する」と発表。と同時に、ANSMに対し「特別な理由がない限り第2世代ピルの処方が機械的に優先されるよう」要求。その理由として「第3・第4世代ピルに比べて血栓塞栓症の発症率が半分であること」を挙げている。
第3世代ピルの払戻し終了は、当初2013年9月から実行されるはずであったが、12月の裁判所への訴えが反響を呼び、動きが加速した模様。原告の弁護士団によれば、1月中にさらに30件ほど、同様の起訴が予定されているという。
France Info によると、第3世代ピルの服用者は現在150万~200万人で、フランスでピルを常用している女性のほぼ半数に当たる。
ところで、具体的にどのピルに関する話なのか?実際に服用している女性なら気になるところだろう。
2日に医療・医薬品情報サイトのdoctissimo.frがアップしたニュース記事を参考にまとめてみた。
第4世代ピルでSécurité sociale(国民保険)からの払戻しの対象となっているものはない。参考までに、代表的な商品名は Jasmine、Yaz、Jasminelle、Rimendia やConvulineなど。
第3世代ピル。
現在65%の払戻しが適用されているのは以下のふたつのみ:
Desobel ® (Effik)
Varnoline continu ® (Msd France)
この2種類が3月からの払戻し終了の対象となる。
もともと払戻しのない第3世代ピルは:
Cérazette ®(Msd France)
Mercilon ® (Msd France)
Harmonet ® (Pfizer)
Minesse ® (Pfizer)
Minulet ® (Pfizer)
Tri Minulet ® (Pfizer)
Meliane ® (Bayer)
Melodia ® (Bayer)
Moneva ® (Bayer)
Phaeva ® (Bayer)
今まで上記の第3・第4世代ピルを服用していた女性は、下記の第2世代ピルにスイッチするよう勧告を受けることになる。
第2世代ピルは、ほとんどが65%の払戻しの対象になっている。
その代表的なものは:
Stediril(Pfizer)
Leeloo Gé ® (Théramex)
Microval ® (Pfizer)
Mirena 52 mg ® (Bayer)
Minidril ® (Pfizer)
では、第3・第4世代ピルをすでに服用中の場合、どうすればよいのか?
doctissimo.fr のアドバイスによれば、いきなり中止せずその周期分のピルを必ず飲み終わってから他の避妊方法に変更すること。
また、本人や家族の既往歴のうち、血栓塞栓症や肺塞栓症、脳梗塞(脳卒中)などを問われずに現在のピルを処方されている場合は、すみやかに医師に相談すること。第3世代以降のピルは例外的にしか使用されないことになるので、第2世代ピルに変更してもらうこと、を推奨している。
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