お口がポカンとなる三面記事の話題をひとつ。
オード県の港町Port Leucate 。
ナディーヌとジョエル夫妻は、以前近所に住み親しくしていた女性に、バカンスの間だけ家を貸すことにした。
この女性は離婚問題を抱え金欠になり、家賃すら支払えず困っていたのだ。
夫婦は同情し、数週間バカンスで家を空けている間だけ、光熱費だけ借主負担という条件で女性とその4人の子どもたちに家を提供することにした。賃貸条件は一応簡単に紙切れにメモしてサインしておいた。
こうして夫婦はキャンピング・カーで旅行に出掛けた。
「夫とそろそろ家に帰ろうと決めて『10月中旬に戻ります』と彼女に連絡を入れたの。でも『連絡をもらってから物件を探したけど見つからなかった』と言われたきり、私たちは自宅に入れないでいるのよ」と、ナディーヌは語る。
夫婦はもちろん家に入ろうとしたのだが、玄関の錠を換えられてしまっていたのだ。
以後、夫婦はキャンピング・カーで寝泊りしている。人の良いこの夫婦は、その間も、女性と子どもたち、そして同じく居候中の女性の新しい恋人のために住居を探し続けた。
町役場から公営住宅のオファーがあったが「お気に召さなかった」らしい。
家の所有者である夫婦はもちろん裁判所にも訴えた。
通常ならすぐに退去命令が出て、ごねるなら警官が来て居候たちを追い出して終わり!となりそうなところ、そうはならない。
実は出発前に取り交わした紙切れの「せい」で足踏み状態だ。
「急速審理の裁判官はこの『契約書』を解釈する権限が自分にはなく、深く審理する必要があると判断した」と夫婦の弁護士は言う。
検察側は「このケースでは当事者の一方による契約履行上の問題が発生していることになり、民事の管轄である」と説明。
民事訴訟の最終判決が出るまで、夫婦は母屋の経費をすべて支払い続けているという。
ひさしを貸して母屋を取られる。そのまますぎて、格言にもならないよ。。。
(1月9日France Info 記事より)
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