~日々の気になるメディアトピックを気ままにコメント分析~
Showing posts with label フランス政治(全般). Show all posts
Showing posts with label フランス政治(全般). Show all posts

Sunday, January 27, 2013

仏メディアに忘れ去られたアルジェリア人質事件


【仏メディア 後編】(前編へ)

24日午後、シャルル・ド・ゴール空港で、メキシコで釈放されたフロランス・カセさんを乗せた飛行機が着陸するのを取材陣が待つあいだ、iTele のレポーターが一人「実は今朝、この空港に、もうひとつの帰還がありました。アルジェリア人質事件で唯一殺害されたフランス人人質のヤン・デジューさんの棺が、同じ滑走路に降り立ったのです」

無名のレポーターよ。よく言った。彼の一言は、フロランス歓迎のヒステリックな報道に一瞬にしてかき消されてしまったが、私の耳にはちゃんと残ったよ。

フロランス帰国の過熱報道が、数年にわたる人権侵害からの解放を祝う喜びからくるものであるならば、テロリストの人質になりあっけなく殺されてしまうという、同じ一国民に対する明白な人権侵害はどう扱うのか?

数少ない記事のひとつによれば、棺の出迎えにひそやかに出席したのは無名のエレーヌ・コンウェイ在外フランス人担当大臣(外務省付きの副ポスト)。記事の写真を見ると一応赤じゅうたんは敷かれているので国としての公式な出迎えだというのに、同じ日の午前と午後でこの待遇の差は何?

たとえ遺族が報道は控え目にと希望を出していたと仮定しても、ジャーナリストとして一応は言及するのが勤めだし、死者への敬いってモンじゃないの?記事によれば、空港で棺が迎えられた場所も、数時間後にフロランスがファビウス外相を従えて記者会見のフラッシュを浴びた、同じレセプション・ルームだということだし、リマインドする機会はいくらでもあったのでは。

フロランスと同じ日に、自国の人質の亡骸も帰ってきたと気付いた仏国民はどれだけいるのだろう?

やっぱり、マリ軍事介入の正当なイメージを維持するため、士気を損なわないために、今現在フランスでは「あの」人質事件に、メディア上なるべく触れさせたくないのね、と勘ぐらざるを得ない。

もちろん、視聴率的には味気ない棺おけの映像よりは美女の涙や笑顔の方が売れるので、すべてが政治がらみでないことは承知。ただ、フランスのメディアは、独立を謳ってはいるけど、メディア企業オーナーが財界の大物であることも多く、サルコジ政権下では仏国営テレビの責任者を大統領が直接任命できるように法を変えちゃったりして、往々にして報道を自粛したりする悪い癖もある。

ショックだったのは21日月曜日、France2(国営放送)20時のTVニュース。アルジェリア軍の強行突破から2日目のこの日は、午後にアルジェリアのセラル首相が制圧作戦終了後初の記者会見を行い、外国人人質の犠牲者の数が当初伝えられていた23人から37人に増えて行方不明者もまだいる、と発表した日だった。

かなり重要な話題だと思われたのに、なんと、この記者会見の数時間後に放送されたプライムタイムの全国ニュース番組で見事に無視されてしまった。

最初の10-15分は延々とフランスに降りしきった大雪の話題。わかったよ、いつまでやってんだろ、って思ったら次はマリでのフランス軍の活躍のニュース。北部のある村からイスラミストたちを追い出すことに成功、村人たちに歓迎される、フランス軍立派!という内容。おまけに、コンピュータグラフィックでマリでの北部解放戦線がぐんぐん上昇していく様子が映し出され、戦中プロパガンダか?とツッコミを入れたくなる。

その他、オバマ大統領就任セレモニーの話題もあったかなー、よく覚えてないけど、とにかく、アルジェリア人質事件にはついに触れられることは無かった。。。

なんか、あきれるだけでなく、腹立たしいんですけど。
これでいいのか、フランス・メディア?

関連ブログ記事
フロランス・カセ釈放帰国と仏メディア(2013年1月26日)【仏メディア 前編】
魔女フロランス・カセと謎のエオラス弁護士(2013年1月25日)
アルジェリア人質事件が終って …(2013年1月20日)
ただいま戦争中。 仏 vs「?」(2013年1月14日)マリ軍事介入について


海外生活ブログ フランス情報
人気ブログランキング

Sunday, January 20, 2013

アルジェリア人質事件が終って …


ふぅー。
ニュースの話題はアルジェリアで起きた天然ガスプラントの人質拘束事件ほぼ一色、仏語で言えばとても「intensive」な週だった。

事件のいきさつは、フランスのマリにおける戦争の「とばっちり」を受けた形で日本人も巻き添えになってしまったため、日本語でも情報が多いのでここでは省略する。

昨日、アルジェリア軍による「強行突破」が予想通り実行され、残った人質もろとも、テロリストたちは全員鎮圧(殺害)され、占拠事件は幕を閉じたのだが・・・

独断と偏見で今私の思っていることを言いたい。


① オランドは内心 胸をなで下ろしていることだろう

カダフィ政権崩壊後、無法者の行き来が自在となってしまったリビアとの国境付近にあるこのガスプラント。イスラム武装勢力によって、前々から「占拠」が準備されていたと仮定しても、実際に事件が起きたのは仏軍のマリでの参戦がきっかけであろう。少なくとも格好の口実にはなった訳だ。

日本を含めた「西洋」諸国の民間人の人質多数。何の罪もない働く人たち。情報が錯綜する中、当初はフランス人人質の数も不明であったが…。

結局は早い段階で仏人人質一人死亡。もともと仏人は4人くらいと少なかったようだが、土曜の朝、日本人を含めた外国人人質7人がまだ残っているといわれている時点で、ルドリアン国防相は「フランス人の人質はもういな~い」と発表した。

この発表に、オランド大統領、そしてフランス人全般の心境を見た気がする。形としては、自ら起こした戦火の火の粉が散って他国の民間人に「迷惑」が掛かってしまった。しかし、マリで始めたこの戦争は止める訳にはいかない。そのためにはフランスの世論も味方についていないと困難だ。

ガスプラントで囚われ殺された人質が10人単位でフランス人だったら?アルジェリア軍が強行突破せず、交渉が長引き、10~20人のフランス人人質の家族が連日メディアに登場し世間の涙を誘うような証言とともに「息子を、夫を助けて!」と訴え続けていたら。。。

実際、米英日やノルウェーなどが「人命第一に!」と声をあげる中、オランド大統領は表向き「アルジェリア政府を信頼」と発言、静観の姿勢を崩さなかった。作戦強行後も「最も適切なやり方だった」と、のたまう。

オランド大統領が冷血漢であるという意味ではないが、今回の事態の展開は、オランド氏にとって「都合が良かった」ことは間違いない。こちらの言葉で、皮肉たっぷりに il s’en sort bien ! と言いたい。


② フランスの世論

戦争は残酷だ。人の心から「人間性」が薄れる、という意味で。大義名分のためには普通の人々の心が鬼にもなる、それが戦争なんだなぁって。

世論、といっても正式な調査があるわけではなく、主にニュースに対する読者のコメントやツイッター等から判断するに。

今回のアルジェリア軍のテロリストに対する強硬姿勢、人質の命は見捨てた作戦に、フランスの人々は好意的。主権国家としての誇りを持ったアルジェリアの正しい選択、身代金で武器を購入する → また人質を取るという連鎖を断ち切るべき、犠牲やむなし、との意見が花盛りだ。

でも、やっぱり、それは「花屋さんの息子のいとこの婚約者のお兄さんが人質のいる会社の取引先で働いてるんだって」「隣町の町長さんの秘書の旦那さんの同僚の知り合いが捕まってるんだって、心配だねー」と、巷で話題にならないからなのでは、と単純に思ってしまう。身近じゃなければ痛くない。

ちょうど2年前、今回ガス施設を狙ったモクタール・ベルモクタール率いる同じ一味にフランス人協力隊員の若者2人がニジェールで拉致された時、あどけなさの残る顔写真と父母の憔悴した様子がテレビに映し出されて世論はもっと同情的であった記憶がある。

当時のサルコジ大統領が強攻策に出て、結局は仏部隊の空爆により犯行グループと一緒に若者2人も殺害されてしまったわけだが、「やむなし」との意見は一部で根強かったものの、総じてサルコジの勇み足を批判するものだったのに。
(まー、単純な反サルコジ感情もあったのだろうけど)


③ アルジェリア

1962年、19~20世紀130年にわたるフランスの植民地支配から血みどろで脱却。
90年代のすべてをイスラム主義テロリストとの内戦に捧げ、2002年に武装イスラム集団(GIA)が降参するまで6万~15万人の犠牲者を払いながら国の安泰を一人で勝ち取ってきた。

今回、アルジェリアが歴史上、立場上、作戦を強行せざるを得なかったのは、頭では理解できる。さもあらん、と思う。

誰の手も借りない。協力を受け入れたりして「大国の手先」とのレッテルを貼られるのは我慢ならない、ましてや旧植民国の世話にはならない。外国人が巻き込まれていようが、自国で起こった出来事は自分たちの手で、自分たちのやり方で解決する。今まで通り「テロリストとは交渉しない」。

筋は通っているし、潔い。しかし、しかし、、、

深手を負ったトラが癒しきれていない傷をかばいながら立ち上がり、近寄ろうとするものを突っぱねて毅然と歩こうとしているのに似ていて、ある意味、痛々しい。

国際社会はそんなに捨てたものか。国際関係におけるリアリズム健在か。国際協力は駆け引きでしかないのか。特殊部隊のノウハウも最新鋭の技術開発も、結局すべては自国の利益を守るためだけのものなのか。他国よりも優位に立つために。建前や計算無しに、見返りを求めない外交や国際協力なんて、やっぱり夢物語。人間界では到底無理なことなのだろうなぁ。


関連ブログ記事
仏メディアに忘れ去られたアルジェリア人質事件(2013年1月27日)
ただいま戦争中。 仏 vs「?」(2013年1月14日)マリ軍事介入について



海外生活ブログ フランス情報
人気ブログランキング

Monday, January 14, 2013

ただいま戦争中。 仏 vs「?」


戦争と平和。
パリでのほほんと暮らす分には生活上実感は沸かないが、金曜夜からフランスは平和な国ではなくなった。

軍事介入と言ってしまうと人ごとに感じられるが、実は、目下国を挙げて戦争中。

オランド大統領は11日夜、国連の容認を受けて国が戦闘態勢に入ったと、全国民に正式に発表した。

そこでQ&A。

誰と戦っているの?
近年の戦争は国vs国という従来の形態を取らないことも多い。
仏軍の対戦相手はアフリカに巣くっている複数の武装イスラム過激組織。

《マリ共和国において》
・Mouvement pour l'unicité et le djihad en Afrique de l'Ouest (MUJAO)「西アフリカ統一聖戦運動」
・Al-Qaida au Maghreb islamique (AQMI) 北アフリカ(マグレブ)のアルカイダ系組織(英表記AQIM)
・Ansar Eddine マリのイスラム主義組織「アンサール・アッ=ディーン」。イスラム法(シャリア)に基づいたの国の建設を目指す。2012年夏にマリの北部でユネスコ指定の世界遺産であるモゾレ(霊廟)を次々に破壊したのはこの組織。

↑ この3組織はマリ北部を支配するイスラム原理主義勢力やトゥアレグ族(砂漠遊牧民)の武装集団で、今回結束してマリの南部に総攻撃を仕掛けてきた。

《ソマリアにおいて》
・Al-Shabbaabソマリアのイスラム武装勢力、アル・シャバブ。アルカイダの一派。Shebab(シェバブ)とも呼ばれる。

どこで?
アフリカの西に位置するマリ共和国北部と、アフリカ東部のソマリア連邦共和国。

この2国への同時介入について、政府は「関連性はない」と発表している。エロー首相いわく「条件さえ整っていればソマリアでの作戦はもっと早くに行われていただろう」。


どうして?目的は?
マリのディオンクンダ・トラオレ(Dioncounda TRAORE)暫定大統領がフランスのオランド大統領に頼んだから。

マリ北部のイスラム主義勢力が一気に南下してきたため、マリ国軍だけじゃ抑え切れないから武力を貸して!と直接要請した。(首都バマコはマリ南部に位置する)

オランド大統領は国連の安全保障理事会に「マリ共和国の要請を受け、テロリスト分子と戦うために、仏軍はマリの部隊を支援する」と知らせた。この軍事介入は、主に国連憲章51条の『自衛権』に基づく、と外交筋は伝えている。

まぁ、表向きはどうであれ、要は、アフリカの外交政策的にも重要なマリほどの友好国が国家として機能しなくなり崩壊するのを、フランスとしては指くわえて眺めているわけにはいかないのだ。

マリがイスラム主義武装勢力の手に落ちれば、近隣諸国も揺るぐことになり、マリの隣国ニジェールやモーリタニアにはフランス企業が関わるウラン採掘産業もあることから(フランス原発の資源)、この地域がアフガニスタン化すのを断固阻止しなければならない。

ただでさえマリ政府は国の北半分のコントロールを失っている。おまけに、AQMI やトゥアレグ族武装勢力はフランス人の人質を8人も捕らえたままだし、ナメられたままではフランスの沽券に関わる、ってとこだろう。

ちなみに、なぜ「暫定」大統領かというと、昨年3月、「北部の武装反乱勢力に対して手ぬるい!」と、一部の軍人の手によってトゥーレ前大統領が追放され、新たな大統領選挙が行われるまでの間、国民議会議長であったトラオレ氏が暫定的に大統領に就任しているから。

一方、ソマリアでは、シェバブの人質になっているフランス人男性を解放しようと、前々から計画が練られていた。人質は3年前に捕らえられたフランスのDGSE(対外治安総局)の情報員(スパイ)。

なぜフランスが手伝うの?
フランスは歴史上、主に過去の植民地支配の経緯から、アフリカ西部の国々と深く繋がっている。

今回、マリのトラオレ暫定大統領はオランド大統領に直接呼びかけ、オランド大統領は「友好国であるマリ共和国自体の存続、マリ国民とマリ在住の仏国民の安全が脅かされている」として引き受けた。

また、フランスはチャドやコートジボワールに仏軍基地を有しており、ロジスティクス面でも機敏に対応できるという利点がある。

オランド大統領は、仏軍の武力行使はあくまでマリ国軍に対する支援に留まるべきである、と慎重に明言している。

セルヴァル作戦って何?
Opération  Serval 。現在マリで展開中の軍事作戦名。
アフリカの砂漠に生息するネコ科の動物サーバル(Serval)にちなんで。

他の国は参加しないの?
当初、フランスは外部の戦力として参戦した唯一の国であったが、マリ軍幹部によればCEDEAO西アフリカ諸国経済共同体(英表記ECOWAS)の統合軍事力にはセネガルとナイジェリアの兵士も含まれるという。

国連安保理は西アフリカ諸国の兵士3300人で構成される連合軍の編成を承認。この連合軍は西洋諸国の後方支援を受けることになる。

その他、ブルキナファソやニジェールが援軍を配備すると発表。

アメリカは後方支援や無人航空機(drone)の提供などをする準備がある。

イギリスも、兵士は出さないがロジスティクス面で協力すると13日申し出た。

フランスの介入が「植民地主義的」と反感を生まないためにも、アフリカ諸国の軍勢が参加することは、フランスにとって大きな意味がある。

勝てるの?
武力装備の点では先進国の軍隊とトゥアレグ族の武装集団では比較にならないと思うが、後者はマリ北部の都市をほぼ支配下においており、広大な砂漠の中で土地勘と拠点を持つ。また、AQMIは2年前よりフランス人の人質を数人捕獲しており、長期戦となる可能性あり。

仏国防相ルドリアン氏は「必要な限りいつまででも続ける」と発表している。

今までの成果は?
《マリ》
初っ端に仏軍のヘリコプター操縦士一人を失ったものの持ち直し、13日にはオランド大統領は「イスラム主義勢力の侵攻を食い止めた。敵軍に大きな打撃を与えた」と発表。14日朝にはトンブクトゥやガオなどの北部重要拠点を集中攻撃している。

《ソマリア》
11日、情報員Denis Allex(おそらく仮名)の救出作戦は失敗。救出実行の際に仏軍に二人の犠牲者が出たほか「状況から見て、人質は処刑されたであろうと強く推察される」とルドリアン仏国防相が発表。

国内で反対している人は?
少数の反対意見を除いては、左右ともにおおむねフランスの軍事介入を支持している。

反対の声をあげているのは左翼党PGのジャンリュック・メランション氏とヨーロッパエコロジー・緑の党EELVのノエル・マメール氏。二人とも議会に事前相談なしに介入が決まったことを非難。メランション氏はアフリカの問題に外部からの軍事介入することも疑問視。

また、右派からは元首相のドミニク・ドヴィルパン氏が12日、「成功する見通しも立っていないのにフランスが軍事介入すること」に反対する声をあげている。

政治レベルの反対者ではないが、忘れてはならないのが2010年9月よりアフリカのマリ北部も含むサヘル(Sahel)地域でイスラム主義武装集団に抑留されている仏人の人質8人の家族たち。人質は民間人。

8人のうち少なくとも6人は直接AQMIに囚われていると推定され、今回の軍事介入により、人質たちの命は今までになく危険にさらされることになる。ソマリアでの人質救出失敗も起きているだけに、フランスで待つ家族たちの心配は想像に余りある。

私たちの日常生活に変化はあるの?
14日朝「フランスの要所を攻撃してやる!」と、西アフリカ統一聖戦運動(MUJAO)が報復を予告したように、今回の軍事介入によって、フランス本土におけるテロ発生の可能性が存在する。

Plan vigipirate と呼ばれるフランス国内の警戒態勢のレベルが、12日夜より、今までの「赤」から「rouge renforcé 濃い赤」という、今回新しく作ったレベル に引き上げられた。(最高レベルはécarlate 緋色」なので赤と緋色の中間、ということか)。

具体的には今までとあまり変わらないが、軍事施設や宗教施設、人の多く出入りする場所などの監視がさらに強化されるという。

大きな駅などで機関銃持ってパトロールしている兵隊さんの数が増えるのかな。


関連ブログ記事
アルジェリア人質事件が終って …(2013年1月20日)


海外生活ブログ フランス情報
人気ブログランキング

Sunday, December 23, 2012

Ni コペ ni フィヨン、フランス人は飽和状態


11月18日より続いていた国民運動連合(UMP、右派)の分裂危機は、12月17日にフィヨン氏とコペ氏が合意に至り、翌18日にはUMPの党執行部が合意内容を全会一致で承認。ひとまず収束を迎えたように見える。

ことの発端は11月18日のUMP党首選の結果。党幹事長コペ氏の僅差による勝利に対し、敗者である前首相のフィヨン氏が「待った」をかけた。

お互い選挙不正疑惑を持ち出して責め合い、ジュペ元外相やサルコジ前大統領などの党の重鎮が次々と仲裁に入るなど泥沼化。膠着状態が一ヶ月続いていたのだった。

合意によれば、来年9月に党首選をやり直し、それまではコペ氏が引き続き幹事長を勤める。党指導陣にはフィヨン派のメンバーも加わる予定。年明けには、国民議会で分離したフィヨン派の議員グループ(R-UMP)も元の鞘に収まることになる。

また、あらゆる法廷闘争を放棄することでも両者は同意。

コペ氏は戦闘態勢を整え、再チャレンジするとの見方が優勢。一方フィヨン氏は、再選挙への出馬について、18日夜に出演したFrance2のニュース番組で「まだ決断していない、政況に応じて判断したい」と明言を避けている。

さて、このドタバタ悲喜劇にひと月も付き合わされた一般国民の感情は?

21日、調査機関のBVAがI>Téléの依頼で行ったアンケート結果*によると、フランス人はもはやコペ氏もフィヨン氏も見捨てているようだ。

フィヨン氏の再出馬を望むのは回答者の35%で、コペ氏に至ってはその割合は20%でしかない。回答者を党の支持者に限った場合は、フィヨン氏の出馬を願うのは47%と若干増えるが、コペ氏に関してはその数値は28%に過ぎない。

「党首として誰がふさわしいか」という質問に対しては、元環境相のNKMことナタリー・コシュースコモリゼ氏がトップ人気で28%、次いで前農相のブリュノ・ルメール氏が25%、僅差でフィヨン氏が24%獲得。コペ氏は10%に過ぎなかったという。

党内バトルは思いのほか両者にダメージを与えたようだ。

*BVAが12月20日と21日に、18歳以上のフランス在住者を対象に電話およびインターネットで行った調査。

海外生活ブログ フランス情報

Tuesday, March 8, 2011

スーパーアイドル「マリーヌ」急浮上

週末の間中、それはもう、すごい騒ぎであった。

金曜日の昼ごろからラジオ、テレビ、インターネットすべてのメディアにおいて「世論調査でマリーヌ・ルペンがサルコジ大統領と社会党のオブリ第1書記を抑えてトップに!!」の話題で持ちきりであった。

マリーヌ・ルペンMarine Le Pen は今年1月に父ジャンマリー・ルペンを継いでフランス極右政党であるFNフロン・ナショナル(国民戦線)の代表となったアラフォー女性。

6日付けのル・パリジャン紙のために行われたハリス・インタラクティブ社の調査(sondage Harris Interactive)の結果、23%の人が「今、大統領を選ぶとしたらマリーヌ!」と回答し一番人気となった(他の2候補はそれぞれ21%)。極右候補がトップに踊り出たことにより、フランス政界&メディア界は蜂の巣をつついたような大騒ぎとなったのだ。  

ただ、この結果自体は大して驚きではない気がする。今年に入り、正式にパパの跡を継いでからというもの、あっちで「マリーヌ」、こっちで「マリーヌ」、彼女の名を聞かない日など一度もない。(もはやファーストネームのみで通用する)

テレビ・ラジオでは特集番組に引っ張りダコ。スター並みの扱いで注目が集まらないほうがおかしい。また、いかにも時代劇の悪役代官といった「父」に比べたら、「娘」の方は気さくなブロンドの「ママさん政治家」といった様子で親しみやすいイメージだ。日本のアイドル同様、美人でないところが却って親近感を生む。

すなわち、「洗浄された極右のマドンナ」が作り出された責任の一端はメディアにもあるのでは?

そして、今回の調査の結果、「マリーヌを支持しても、もはや異端扱いされないんだ!堂々とFNに投票してもいいんだ!タブーじゃないんだ!」と、国民の一部のモラル・コンプレックスが取れたに違いない。

この騒動を受け、候補者の選択肢が充分でないと非難されたハリス・インタラクティブは、6日、次期大統領選への出馬が噂され人気の高いDSKことドミニク・ストロスカーン氏(PS社会党)を選択肢に含めた上で再調査を行うと発表。

その結果は、、、、タタターン(太鼓)!
「マリーヌ」1位(24%)、「DSK」2位(23%)、「ニコラくん」3位(21%)。(本日付けル・パリジャン発表)

全然フォローになってない。でも、このような大騒ぎの中での「再調査」に果たして意味はあるのだろうか?

はっきり言って、もし「世論調査のハリス・インタラクティブです、アンケートにご協力くださ~い」と電話が来たら、私だったら「もちろん、私のアイドル『マリーヌ』に投票いたしますわ~!」と、からかい目的で回答したに違いない。

Sunday, February 27, 2011

サルコジ大統領TV演説、アリヨマリ外相更迭

週末の間中、アリヨマリ外相(MAM)の追放が確実との情報が飛び交う中、日曜夜8時よりサルコジ大統領の全国民に向けたラジオ・テレビ演説が始まった。この演説中にMAMの後任者を含めた改造内閣が公式発表されると誰もが知っていたが、演説の目的は、表向きには「世界情勢と移民問題について」と銘打たれていた。

個人的には、しばらく大統領演説なるものを意図的に見ていない。正直、このムッシュに関しては飽和状態で、彼の話し振りにますます空回り的なものを覚えているから。

でも、今晩は、演説の表向きのテーマと、内閣改造をどう発表するかに興味をそそられ、運よく子どもたちもベッドに送り込めたので、ワイン片手にテレビの前に陣取った。

ラ・マルセイエーズ(国家)のオープニングに引き続き、国旗と書棚をバックに大統領の姿が現れた。いつも落ち着きなく動き回る手や腕を写さないための胸から上のフレーミングか?などと余計なことに気づく。

さて、本題。予想通り、年末より沸騰中の地中海南岸の状況からスピーチは始まり、この喜ばしい民衆の自由への目覚めによりヨーロッパへと移民が大量に流入してはならない、と続いた。そして、「このような新しい世界情勢にきちんと対応するべく、外務大臣としての経験もある有能なアラン・ジュぺAlain Juppé防衛相を新たに外務大臣に任命する」ときた。

そして、驚いたことに、MAMに関しては、その名前にすら触れなかった。MAMの相次ぐ失態が内閣改造につながったという、言及しづらい事柄に対し、本人はうまくかわしたつもりであろうが、なんとも情けないスピーチの持って行き方。

この内閣改造のついでに、アラブ人に対する差別発言で有罪判決を受けているブリス・オルトフBrice Hortefeux 内務大臣も内閣から外れ、サルコジ大統領の特別顧問のポストに移った。

その他、少数の大臣入れ替えを発表し、座礁している地中海連合Union pour la méditerranée*の再生に言及し、どことなくバツの悪さを隠しきれないまま、演説は数分でサクサクと終了したのだった。

*今は遁走したベンアリ&ムバラク元大統領たちを2本柱として、サルコジ大統領が2008年に設立した、欧州と地中海沿岸の国々を集めた連盟。